笹倉鉄平『マイセンで見た光』2019年11月リリース作品(ジクレー・版画)
『マイセンで見た光』 “A Mild Winter Light, Meissen” チェコやポーランドとの国境に近い、旧・東ドイツの町マイセンの名は、 高級陶磁器のマイセン磁器によって、世界中に知られている。 厳冬の日、雪の降り積もった町を歩いていた。 マイセン磁器発祥の原点としても有名な、アルブレヒト城へと至る 旧市街の中、美しい石畳の道だった。 途中、小さな塔のような造りのアーチを潜り抜けた時、 そこに在った"光"の様子に、視線を奪われて思わず足が止まった。 手はかじかみ、耳や頬まで痛く感じるような、キンと凍てつく空気をぬって、 薄暗いアーチの中にまで差し込んでいた光―― それは、どこか甘い色で 冷え切った身体まで、ふんわりと温まるようだった。 雪の降り積もった家並みの、青い陰影に包まれた景色だからこそ、 光は、あまりにも優しく、より魅力的に心へと届いたのだろう。 笹倉 鉄平 “笹倉鉄平作品一覧”の頁に戻る
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