『オンネア』、笹倉鉄平2017年リリース作品
『オンネア』 "Onnea" いつも、いつのまにか、考えてしまう。 「光」を、絵具の「色」に置き換えるには、どうすれば良いのだろう? * * * ひとつの方法として思い至ったのが・・・ それ自体には色が無いもの、例えば白い物や花、無彩色のガラス等を たっぷりの光の中に置いて、描くことだった。 次に、それに合う背景は?と、考えた時に自然と浮かんできたのは、 生き生きとした樹木の"緑"や 森の中での静かで穏やかな暮し そして、清らかな光が差し込む窓辺。 そんなイメージを求め、体感すべく、森と湖水の国 ・フィンランドへ向かった。 首都ヘルシンキから電車とバスを乗り継いで訪ねた、フィスカルスの地は、 樺(かば)類の樹木に囲まれた平和なアーティスト村だった。 夏だというのに、朝もやに包まれた早朝は、かなり肌寒い。 まだ薄暗い林道を歩き回るうち、青々とした木々と葉の間から 朝陽が、光の筋を神々しくきらめかせながらゆっくり差し込んできた。 小鳥たちのさえずり以外何も聞こえない明るい静寂と、純粋で清々しい空気の中、 生まれたての光は、とても、とても美しかった。 ―――描くべき窓辺の風景と"光の色"が、見えた気がした。 笹倉 鉄平 “笹倉鉄平作品”の頁に戻る
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