笹倉鉄平『その朝、南仏の港は霧につつまれていた―』2024年6月上旬リリース作品(ジクレー・版画)
『その朝、南仏の港は霧につつまれていた―』 心身ともに疲れきっていた時、 目や心を、優しくしっとりと癒してくれた 今も忘れられない景色がある―― * * * 2015年、フィレンツェでの個展直後に休養へ向かった先は、 フランス南東部に在る、ヴィルフランシュ・シュル・メール。 展示の作業以外にも、記念行事などがあり通常の個展の何倍も 疲弊したまま、夜遅くに到着した小さな港町だった。 その翌朝。 遠景が見えないほど深い朝霧に包まれた港は、まだ街燈が灯っていて、 人の気配も時間の感覚も希薄で、とても静かだった。 朝のコーヒーを片手に、霧が徐々に薄くなってゆく様子を ぼんやり眺めていると・・・ 慌ただしかった昨日までの出来事は、 不思議なほど昔のことのように思え、 同時に、心の疲れも遠のいていくような感覚が生まれる。 それは、光と水の粒子たちの絶妙なバランスが見せてくれた 潤いに満ちたひと時だった。 笹倉鉄平 “笹倉鉄平作品一覧”の頁に戻る
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