笹倉鉄平『ギャルリー・ヴィヴィエンヌ前で』2023年11月リリース作品(ジクレー・版画)
『ギャルリー・ヴィヴィエンヌ前で』 “Devant la Galerie Vivienne” 久しぶりにパリの街を訪れた際、懐かしい場所を巡り歩いた。 その一つが、いつか絵に描きたいと思っていたパッサージュ(※)、 「ギャルリー・ヴィヴィエンヌ」。 1823年の設計で、古き良きパリのノスタルジーが感じられる。 今迄にも幾度となく歩き、その度に描こうとしたが、 自分なりの閃きやストーリー、表現のイメージが見い出せず、 スケッチばかりが溜まる…そんな場所。 今回は、夜の8時頃にこのパッサージュを通りかかった。 夜間は閉じてしまう、静かな鉄製門扉の入口前。 男性が一人佇んでいるのと、スクーターが一台停まるのみ。 それは、少しばかり寂しげな印象だった。 だからこそ… だったのか、その時にようやく 小さな物語が、ふわりと目の前に思い浮かんだ―― 門を挟んで両側で営業するビストロのテラスには、 思い思いに夜を楽しみ、賑わう人々を…。 人待ち顔の男性と、スクーターは “未だ待つ人”と“待ち人来る”を描く要素として…。 街角の灯りに包まれた、パリらしい光景として描いてみた。 背景や状況、人々の会話を、自由に想像してもらえますように。 笹倉 鉄平 (※)パッサージュ : ガラス屋根のある通り “笹倉鉄平作品一覧”の頁に戻る
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